
シルクは、蛾の幼虫の蚕(カイコ)の繭から作った繊維です。
蚕は、幼虫から成虫になる時に繭を作り、その中で過ごします。
繭は、蚕を外敵や自然から、守る殻の存在で、繭の中は乾燥し
過ぎず、多湿にならず、適温を保ち、太陽の紫外線や外敵から
守るようになっています。その繭を利用して出来たのが、シル
クなのです。

・シルクは人間の皮膚と同じタンパク質(18種類のアミノ酸)
から構成されていて、第二の肌と言われており、真珠の
ように美しい光沢、軽くてなめらかな肌触りがあり、人間の肌
ととても相性がいいのです。
・天然繊維なので、化繊と違って静電気を起しにくい為に、ビリ
っと来ない上に、チリやホコリを寄せ付けません。だから、パ
ジャマ・下着や布団などの身に着ける物には、最適な素材なん
です。
・吸湿性・保湿性・放湿性に優れたすごい素材なんです。
(綿の約1.5倍の吸湿性・放湿性があると言われています。)
夏の暑い時や、寝ている時に汗をかいても、肌表面のシルクは
吸湿性により、サラッとして、余分な水分は、すぐに放湿して
しまいます。その上、保温性まであり、シルクの繊維間には、
沢山の細やかな気泡があり、その気泡の断熱効果により、冬で
も暖かく、夏はさわやかで、一年中着心地がとても良い天然素
材です。
・シルクは、とても素肌にやさしく、上記の優れた吸放湿性によ
り、肌を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑えるので、皮膚細胞の活
力を促進し、素肌が潤い、若々しさを保ちます。アトピーや床
ずれなど皮膚病の防止と治療に功能があるのも頷けます。
・外出時には、紫外線も吸収してくれます。蚕は、紫外線を浴び
るとうまく成長出来ないので、繭が紫外線を吸収し、蚕を紫外
線から守っているのです。
・耐熱性にも優れております。ほとんどの合成繊維は、約200
度で、燃えて有毒ガスを発生しますが、シルクは、300~4
60度にならないと、燃えない上に有毒ガスを発生しない環境
にもやさしい、優れた素材です。しかも繊維間の気泡により、
有毒ガス等に対して簡易マスクの代わりにもなります。

シルクは、非常に優れた素材ですが、やはりシルクにも欠点が
あります。
・シルクの縫製は、普通の生地より難しいく、不良品になる可能
性が高いので、とても気を遣う素材です。
・とっても繊細な素材で、摩擦に弱く、直接ゴザやニス等で
処理されていない木の椅子に座る時には、注意が必要です。
また、虫等に刺されて、かゆい部位を掻く時も、シルクの上から、
直接掻くと、シルクによくありません。
・洗濯が少し面倒で、洗濯も普通に洗濯機で洗う事が出来ません。
手で押し洗いをし、干す時は、陰干しをして下さい。
・紫外線から、素肌を守ってくれる反面、シルク自体が紫外線を
吸収する為、長時間、直射日光に当てたり、日光干しをすると
黄色く変色してしまいます。
最後にシルクは、とても優れた素材ですが、他の素材より劣る部分
もあります。ですが、その劣る部分を良く知っていれば、初めて買っ
た物でも、末永く使うことが、出来ると思います。
注意:ここで言うシルクとは、天然100%のシルクの事です。
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